海外大学進学のための文法の方法

はじめに

海外の入学試験に日本のような文法問題が出ないのであれば文法は学ぶ意味があるのでしょうか。本屋さんにはビンテージやスクランブルなど沢山の英文法書が並んでいます。

海外大学進学のためにはどうやって学べば良いのか。日本の難しい文法問題集は必要かに対する答えに迫りましょう!

Focus Words” by Romain Vignes/ CC0 1.0

文法の役割

そもそも文法はなぜ学ぶのかといえば、文法は「その言語のルール」であるからです。

スポーツを想像するとわかりやすくなります。

例えばサッカーはボールと広い場所、そしてゴールがあれば成立しますが、そのゲームの中には、手でボールを触ってはいけない、フリーキックの決まりなど細かなルールが沢山存在しますよね。

小学校の体育でやっていたミニサッカーのルールはサッカーのルールを簡易化したものでした。スポーツは簡易化したルールの中で楽しむこともできますが、プロの世界ではしっかりとしたルールを覚えプレーすることで初めてゲームが成り立ちます。

つまり、ルールである文法を理解することが、英語という言語の運用が成立するための条件になるのです。そのルールを破れば、エッセイは評価されなかったり、ひどい場合には意味が通じない事態になってしまいます。

日本の難しい文法問題集は必要か

日本で販売されている大学受験用文法書が必要かと言われれば、あったほうがよいという答えになります。その理由は、細かなルールまで一通りたった1冊の文法書にまとまっており、使い勝手がいいからです。

一方で文法の解説が難しいので文法の仕組みが気になって文章が読めない、解説に時間がかかって長文読解やリスニングの時間がとれていない状況になると本末転倒になります。

海外でよく使われる文法の8割〜9割は中学英文法で成り立っています。ですので、中学の英文法の範囲を知り、実際に4技能演習の中で体感としてわかるように演習するほうが得策です。

サッカーの仕組みを最初から細かく本で覚えて、サッカーを始める子供は少ないはずです。まずは大枠だけ抑えて、力がついてきたらルールの知識を少しずつ増やしていくことが正解になります。

もっと言えば、理解できないものがあってもよいのです。現在完了系は習ったものの、本当の意味を理解できるようになったのはアメリカの大学の3年次頃でしたという先生もいるくらい細かなルールまでマニアックに使いこなすには時間と経験が必要なものです。

おすすめの海外進学のための文法勉強法

大学受験用文法書が必要だからと言って最初からやり込むのはよくありません。

中学生が使う文法書の演習から始めましょう。文法のことを全く知らない場合はまずは理解できる本で学ぶことが大切です。

ひとつひとつわかりやすくシリーズは理解しやすいようにできており人気も高い1冊です。

中学英文法を知ったら、演習を行いましょう。

私が普段みなさんに使っていただいているものは、ハイパー英語教室 中学英文法ドリルになりますが、中学で習う文法中心に問題が作られており、記述(実際に全文英語を書く問題)も含まれているものであればどの本でも大丈夫です。

選択式や穴埋めは理解度を高めるためにはよいのですが、ある程度理解できたあとは、文法問題に正解するためだけに解ければよいと脳が勘違いを起こしてしまい、文法問題で点数をとるためだけの視点にだんだん偏ってしまうというデメリットもあります。

かならず一文自分で書いて、こうやって使うのか、と納得が得られる演習をしてみてください。また演習は何度も行うことをおすすめします。

中学で学ぶ英文法の項目で使わないものはありませんので、丁寧に理解できるまで練習しましょう。

音読

また、音読をすることも効果的です。文の区切れ目を意識しながら沢山声にだして英文を読んでみてください。

中学英文法が理解できたあとは、文法書を解くのを一度やめ、英検などの本を使いながら3級、準2級と長文やリスニングに慣れていきましょう。ルールを知った上で文章を読むと読みやすかったり、リスニングの音も親しみやすくなります。

大学受験文法書

2級以上のレベルになったら大学受験文法書を解いてみましょう。

もちろん注意点は、文法中心の学習生活にならないように気をつけることです。

あくまでも文法はルールになりますので、そのルールを使えるように心がけることが大切です。

使えそうもないルールは「ふーん、そんな決まりもあるのね」程の感覚で概念だけ知るようにしてください。文法書の説明文は難しすぎます。(形容詞用法不定詞ですが、ここでは名詞に対してなんたらかんたら等)ですので、分かる範囲でまずは一周やってみてください。わからないのはまあいっかで飛ばしてみるのも大切な決断です。

大学受験文法書で見ておいた方がよい項目

仮定法

仮定法は中学英文法では出てこない範囲です。そして知らないと内容を読み間違えてしまうことも。知っていてほしい文法の一つです。

関係副詞

こちらも仮定法と同じく中学英文法では習わない項目になります。一度解いて慣れておくことをおすすめします。

時制

海外の大学だと時制にとても厳しいです。時制をうまく使えないことでエッセイのやり直しが起きたり学校のテストの点数が大幅に原点されることもあります。時制は知っておけばおくほど役に立ちます。

接続詞

接続詞は質の良いWritingを仕上げるために大切な項目の一つです。TOEFLやIELTSでも多様な接続詞を正しく使えているかどうかで点数が変わってきます。接続詞の知識を増やしましょう。

動詞の語法

動詞の用法がまとめられているのは日本の文法書の大きな特徴です。海外のGrammar演習本で日本ほど丁寧に且つ簡潔に動詞の語法がまとめられている本はありません。

まとめ

英語学習に関する講義の中で、度々初心者の方には「文法書は中学英文法で十分です!」というお話をします。

これはシンプルにわかりやすくするためにあえて断言をしています。実際に、ペンシルベニア大学に進学した学生は中学英文法だけ文法書を使いました。受験の文法書は使っていません。文章読解やリスニング演習のなかで細かな必要な知識を身に着けてもらいました。

また私自信、文法書を受験生時代にやりこみ過ぎて(合計10000問以上解きました)イギリスの先生に怒られたことがあります。あなたのエッセイの文法はカチカチすぎてよくわからない、何参考にしたか教えてほしい。現代では使わないのも入っているしどうやって勉強したんだ?と。

ただあって損しないのが文法書でもあるので手元に1冊おいて、リラックスして取り組むことをおすすめします。